桜並木の美しい公園の近くのためか、住民によって建築協定が結ばれている一画の、夫婦と子供3人の家族の為の新築計画です。打合せの中で、各々が個室にこもらずに、家族の距離感を自然と近づけるような住宅を施主が漠然と考えている事に気付きました。
そこで、家族の集まる場所として2階を丸々ワンルームとしました。3mの天高をテラスへ向かうにつれ高くなるように勾配させ、床は室内からテラスの木製デッキが続いて見えるようにした為、視線が外に向かい広がりを感じさせる空間に仕上げています。テラスは直射日光を遮る大屋根と隣家への配慮のための壁により、セミクローズドな気持ちのよい半屋外空間としました。
3m勾配天井のワンルームには、南側テラスに面した部分をLD、北側にキッチン、東側に飛び出るような形でスタディコーナー、キッチンの裏側にはワークスペースを設置しました。また、スタディーコーナーと背中合せに、キッチンからの利用を考えたサービスバルコニーを設けてゴミ箱置場や物干場として屋根をかけています。
1階はプライベートエリアとし、北側に隣家の緑を借景とした水廻りを配しました。そこまでの廊下を挟んで、片側に個室を並べ反対側の階段下約5.2m壁一面を家族全員の収納スペースとしています。この共用収納は、家族の距離感を近づける上でもプランニングのひとつの重要なポイントとなりました。
2階テラスは、大屋根で直射日光を、手摺壁を立上げ隣家の視線を遮っています。
手前の小さな箱がスタディーコーナーとサービスバルコニー。
1階は個室としています。
キッチン裏側のワークスペースは、オープンなスタディーコーナーに対し少しクローズされ落着いた場所として計画しました。
カウンターと本棚を造作しています。
階段下は家族全員共用の収納スペース。
スタディーコーナーは高天井のLDに対し天井高を2.1mと低く押さえ、落ち付ける空間としています。
家族構成 | : | 5人(40代夫婦、子供3人[大学・高校生]) |
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所在地 | : | 東京都練馬区 |
用途地域 | : | 第1種低層住居専用地域・準防火地域・武蔵関建築協定地区 |
構造 | : | 木造(SE構法)・地上2階建 |
敷地面積 | : | 132.38㎡/40.0坪 |
建築面積 | : | 50.51㎡/15.2坪 |
法延床面積 | : | 91.08㎡/27.5坪 |